Twitterは短くてラクよね。伝わらなくて後日検索めんどい。 自分のための覚書だしな。 なのでいつものように経緯とかネチネチ書いておく。
■12ボル党 いくつも電源持って歩くのめんどくさい。 ドローン関係は12v、つまり3SでDC電源をまとめるとラクになる。 というのを、駆け出しの頃に Yan-Tech さんに教えてもらった。 その頃は電源周り自作とか、めんどくさくて考えもしなかったが2年経って気づいたらおなじになってた。 これは外5.5mm、中2.1mmの「5521丸端子」(以下、丸端子)のアダプタ端子で運用される。 監視カメラ用とかでamazonでも安価に多数ある。 この「12ボル党」を中心にバッテリ周りについて再考してみようと思う。
■そもそもどんな電源が必要なのか ドローンでの電源周りはいろいろある。 各種バッテリ充電、ゴーグルの電源、機体整備に使う電源。 スマホにバッテリウォーマー、デジタル使うとスマコンとかまで必要。 種類も多いしコンセントばっかり使う。さらに出先となると大変だ。
・LiPo充電機 85、95あたりの出先でよく使う機体の、3Sとか4Sを2C充電したいとなると60wは欲しい。 私はISDTに絶大な信頼を置くISDT野郎なのだけど、お出かけ用には Q6Pro に12v-5Aアダプタで常時持ち歩く。 最初は12-3Aアダプタを使っていたが、ちょっと足りない。 たくさんの充電必要な時は AC200v の D2 を持っていく。 5インチクラスのバッテリ充電にはこの200wクラスでないと難しい。
・ゴーグル電源 まずはFATSHARK。2S-4Sでの運用が可能。思いの外電池を食う。端子は丸端子。 なにかとトラブルの多いFATSHARK電池ケースは2Sで、昇圧回路ついてないので40%残したあたりで動かなくなる。 使い勝手悪いので、8.4vの昇圧回路組んだりもする(この場合はバッテリが最後まで使い切れる)が、利用後は外しておかないと、いつの間にか電池食われたりする。 電池ケースを3S(12v)にすると、バッテリ低下時にもジリジリと持ちこたえて、電源的にはバランスがよい。 ただしケース自作する必要があり、加えてデカく重くなるので取り付けの工夫が必要で、さらに充電器はだいたい2本セットで充電できるパターンで3本は中途半端なのは気になる。 5インチ用のデカいLipoにケーブルでもよいが、出先で電池足りなくなると充電間に合わない事態もある。 電池ケースのさらなる改造も検討してるが、相変わらずすっきりしないのがFATSHARKの電源。 いよいよのときのために12v-5Aアダプタで電源確保はしたい。 USB昇圧ケーブル使ってたこともあるけど、あれコネクタがハンダで支えられるものなので、ハードに使うとすぐぶっ壊れる。
現在は3つ持って歩いてる。ケーブル断はなくなったが、ハンダ部分に力加わってハンダクラックとかたまにある。
DJI FPV ゴーグルは 3S-6Sでの運用。こちらはさらに電池食う。 USB 5vの12v昇圧ケーブルでは電流が取り切れないパターンがあり、安定して使うには5インチクラスのバッテリか、いよいよになると12v-5Aアダプタ。
・機体整備につかう電源 普通は充電したバッテリを使うパターンが多いですが、ヘンテコな機体とか通電状態で長時間いろいろやりたい場合が発生する。 そうするとアダプタから XT30とかXT60とかにして、機体にファンをあてながらメンテとなる。 このパターンで 3S-6Sまでは整備できる。 油断してバッテリを最後まで逝っちゃったという経験はみんなあると思う。 そういう焦った状態ではよい整備ができないので、精神安定のためにも電源供給体制は欲しいものだ。 1Sはコネクタささらなくて間違えることはないが、油断すると2SのXT30などに3S挿したりすることもあるので注意。 ここはなんとかしたい。
・その他 Dockingとか、DVR用受信機使いたいとか、なんかそういうのもだいたいアダプタで動かせる。 そしてあと欲しいのは USB 電源。スマホやなにやら、そしてスマコン!あれがめんどい。 そんな感じで新しめの電源関係はみんなUSBだ。 あとPC持って歩く場合は場合によってはそのアダプタが必要。 Windowsの普通ノートだと19.5vで65wの丸端子がよく使われる。MacやChromeBookだと USB-PD。 ゲーミングは19.5vで180w~230wあたりで、容量デカくて使い回せるが、なんかヘンなサイズのコネクタが多い。 ゲーミングはアダプタないとGPU動かないし、GPU動かすためのゲーミングなので、諦めて別に持つしかないかも。780gと鈍器並の重量あるけど。
■ということで 12v にまとめることで、電源まわりが大体は使えるのわかったと思う。 さらに12vは車のシガーソケットに使われるので、デカモバブから AC変換なく電流を取り出せたり、各種車関係のグッズも使い回せる。(ヒューズとか) それでも USB 電源は別に必要で、これを統合化できないかなーと常々考えていた。 それが今回の記事になる。(長い)
■USB端子から12vを取り出す方法 これがめんどくさくて、どうやって書いても混乱しそう。 USBは5v 500mAhを供給するだけだったのが、なんか20年ぐらい経ったらDC電源のメインになった経緯があり魑魅魍魎。 今回はまず12vを出すのを目的に絞り込む。持ってるスマホをなるたけ高速に充電したい!とかでないので注意。 このあたりの電源を規格的に出せるのが、Qualcommの QuickCharge(QC) と、Type-C でおなじみの USB-PD だ。
いろいろあるが、丸端子で特定電圧を出させるなら、USB-PDを「トリガーケーブル」で運用するのが簡単だ。 Type-Cなのでオモテウラないし、USB-A昇圧ケーブルにありがちなモナカ形状と比べて壊れにくいのもよい。 Type-C系は eMaker という識別チップがついており、アダプタとケーブルがマイコンでお話することで流す電圧/電流を決める。 高速通信できるケーブルが必ずしも大電流が流れるわけでないので「ケーブルもちゃんと選べ」ということになる。 eMaker はコピーチップやら、QCにも対応するカスタム品もあり、調べてみると必ずしも正しく動いていないものも「多数」あるようだ。 ということで、確実なのは eMaker チップ搭載されたのを選ぶ。それ以外はよく調べてリスクを把握するのが無難。 USB PD はバージョンによって3Aと5Aとかの時代があり、5Aにするには eMaker が必要。 ただし USB-PD が必ずしも5A出力に対応しているワケでない。 とりあえずそのあたりをネチネチとチェックして WITRN の eMaker付を購入した。 前買ったeMaker付きのリンクなくなってるな。まあ探すと出てくると思う。
■どのアダプタを使うか USB-PDはよくみると、出せる電圧や電流がアダプタによって違う。 実際数値通りの性能が出るのかとかもあるし、過電流回路も様々なので細かい評価が必要だ。 とりあえず Anker Power PortIII Pod が間違いないらしいが、Ankerの系統は12v出ない。(5v,9v,15v,20v) eMakerには最大許容電圧が記されているので、このアダプタに12vのトリガーケーブルを挿すと9vが供給される。
あれ?12vでないぞ?
12v対応しとらんやないけ!
12v取り出したい時には12vが出力できるアダプタを探すしかない。 いろいろ調べた結果、今回は HAYABUSA+ を選択した。https://www.amazon.co.jp//dp/B08H4VHQSQ/papalagiorg-22 4700円ぐらいだったような気がするが高くなってるな。 本体にちっちゃい字で出力パターンが記載されている。
たいへん小さい。
老眼にはつらい。
組み合わせによって出力が変わるので、理解して使うのがめんどくさい。 さらに途中で他の端子をつないだりすると、その度にリセットがかかる。(出力パターンの切り替えが発生する)
大変たくさん対応してる。Oppo/Oneplus系だけ対応できてない。
USB-PDはPPSにも対応。ただし上限は11vに制限されている。
これは OEM で他メーカからも多数出ており、HI DISC のが安い。 とりあえず今の所これがオススメか。http://www.akibaoo.co.jp/c/item/4984279642443/?sci_refl=1 あと調べた感じだと、この形状も同じっぽい。https://www.amazon.co.jp/dp/B08NKBFX26/papalagiorg-22 厳密には形状の縦横比が違い、VOOC(Oppoのやつ)も対応してるかも。 中華通販でも買えるが、PSEとかあるし、これぐらいならアマゾンがラクじゃないですかね。 使いこなせるようになると、2つぐらい欲しくなるので、いくつか試すのもよいかも。 今回のはいずれも GaN の 65w で、そのうち 100w のヤツもいいの(まだちょっと高い)が出てくるだろうから、それを買い足してもよいかも。 なお 100w は 20v-5A で 100w。 12v はだいたい 3A までのようで、5A とれるのは見かけない。(あるの?)
■どうやってチェックしたりするか 順番若干逆になった気もするが、どうやってそのあたりのチェックをするか。 中国ではこの手のスペック偽装が多いので、USBチェッカーを使って調査をするのが当たり前(?)なのか、そういう製品が多数ある。 その中でもオススメなのは AVHzY CT-3 の負荷装置なし。フルスペック。https://www.amazon.co.jp/dp/B08MDDH385/papalagiorg-22 これについてはあまりコピー商品ないのだけど近いのはコレ。https://www.amazon.co.jp/dp/B08XM47NMS/papalagiorg-22 BTでアプリ使えるけど、メニューに日本語がない。細かいところがちょっとCT-3に負けるかも。 CT-3の日本語メニューも、いつもの怪しげなヤツだが、機能的なことも含めて CT-3 が良いのではないかと思う。 ファームとか説明書とかはコチラ。Shizukuという製品名になってる。https://yk-lab.org:666/index.php/ja/
こんな感じでやるよ。これはQC3.0から12v引っ張った例。
CT-3はチェッカー機能に加えて「トリガー偽装」という機能がある。 これは QC とか USB-PD のトリガーチップを偽装することで、特定の電圧を出力させることができる。 これを使うとどんなケーブルでも電圧変更は可能だが、ちゃんと耐えることができそうなケーブルを見極めることが必要になる。18AWGぐらいか? 1Sとか2Sとかの電圧も出力できて緊急時には便利だ。 その場合は、QC対応か、USB-PD の場合は PPS 対応を選ぶようにしよう。 例えば Anker の場合は、PowerIQ という独自のやつで、QC と USB-PD に対応している。 なので、Type-C から QC でも USB-PD でも出せる。 ただしUSB-PD は PPS に対応していないので、細かい指定電圧の場合は QC3.0 を使うこと。 ハヤブサ系は Type-C からは USB-PD で出てきて PPS 対応なのだけど11vまで。 USB-A端子からは QCが出てくる。 (文章にするとややこしい)
■どれぐらい出力がとれるのか よくある GaN の USB-PD 65w だと、12v-3A ぐらいまでとれるようだ。 25000mAhクラスの大型モバブも同様。 15v-3A の設定で 45w 取ることも可能だが、先の 60w にはちょっと足りず、FATSHARKとかに入れると壊れるので注意。 やっぱり 3S、4S、6S 充電するなら 60wは最低欲しいので、今回の 12v トリガーケーブルでは足りない。 20v-3A のトリガーケーブル使ったら 60w 使えるが、モバブではその出力はなく、あと M4Q は 18v までなど制限があるので注意。 Q6Pro なら使えるけど、間違えないように注意が必要。 20v丸端子のトリガーケーブルを準備すれば、ノートパソコンの電源も寄せられる→20v-5Aトリガーを追加した。
今回まとめた電源セット。20vトリガーはテープ巻いた。現在はこれに1sの丸端子ケーブルも追加してる。
65用のオマケケースに全部入る。
■今回の結論 LiPo充電にはちょっと細いが、がんばれば USB-PD で12v以下は集約できる。 LiPo充電は、20v-3Aの USB-PD を利用することで集約できるが、ケーブル間違えに注意。 ゲーミングのアダプタはあきらめ。