ドローンの電波を眺める

ドローンはスマホと構成要素が似てて、多岐にわたる様々な技術が使われる。
その中でもわかりにくいのが電波でないか。この電波をもっと見たい知りたい。

どの電波帯を見たいか。
VTXの電波帯である5.8GHzあたりと、操作電波の2.4GHzあたり。DJI系だと国内は2.4GHz帯のみだ。
2.4GHz帯ぐらいまで見るのはチラホラあるが、6GHzぐらいまでだと限られてくる。
そのあたりいくつか調べてみたのでまとめてみる。

■RX5808を使う
安価な方法は「RX5808」を使う方法。
これは5.8GHz受信機の中に入っているもので、1000円/個しないぐらいのもの。
まあ大体コレがはいってる。受信機に電波を全部チェックする機能とかついてる。

下にあるこいつ。RX5808と書いてある青いやつ。
5.8GHz受信機にはだいたいコイツが入ってる。

このRX5808。テキトウなマイコンからSPIでコマンド送ることで受信周波数を操作することができる。
https://github.com/xythobuz/arduino-rx5808-testing
簡単なものなのでArduinoNanoに限らず簡単に移植できる。
M5StickC、M5Atom、Xiao なんかでもつくってみた。BluetoothとかWiFiとかで引っ張るのも簡単にできる。

XiaoでRSSIをシリアルに吐き出し続けるのとか作ってみた。
M5AtomでPIDFlight。BluetoothでAndroidアプリともつながる。

かつてはプリセットされたチャンネルだけで、抵抗外す加工とかが必要だったようだが、最近ははじめから抵抗外されてるので無改造でイケる。
最初それ知らなくて3つほどパーにした経緯あり。
これを活用した例はたくさん、ホントたくさんあってしばらく遊べる。
ダイバーシティにしてみたり。
https://github.com/sheaivey/rx5808-pro-diversity
PIDFlightというラップカウンターとか。1個の受信機で複数chがとれるようになってる。
https://www.pidflight.com/pidflight-lap/
https://github.com/t-asano/techlog/blob/master/racesolution/pidflight_lap.md
https://github.com/cmengler/pidflight-lap
もっとガチなのにRoterHazardがある。
https://github.com/RotorHazard/RotorHazard
映像もコンポジットで引っ張れるので、トラック向けの4ch入力モニタとかと組み合わせると、VTX確認モニタとかもできる。
https://www.amazon.co.jp/dp/B081GMBVJZ/papalagiorg-22

ArduinoNano(パチ)にHC-06というBTシリアルつけてPIDFlightを作った例。
小綺麗にまとめてみた例。
ラズパイでまとめたRotorHazardセット。受信に指向性持たせるのに工夫がいる。スペアナの出番だ。
いっぱい仕入れたが、アレコレやってると足りなくなった。また買うようか。

そんなこんなで RX5808 を10個ほど仕入れてアレコレやったが、これの弱点はバラつきが大きいこと。
アンテナ周りを工夫するか、キャリブレーションをするか、まあなんかやったほうがいい。
世間に出回っている5.8GHz受信機はコレぐらいのバラつきで売られているんだなあ、という事実を知ることになる。レビューとかアテにならんじゃないか。
この事実を知ってから、Rapidfire のキャリブレーションをすぐやった。
https://www.kabukigoya.com/2020/11/immersionrc-rapidfire.html
2.4GHz帯だとOpenTXの機能にチェックするものとかもある。
このあたりは切り替えながら電波をチェックすることから更新速度が遅いので、リアルタイムにどうなっているか、とか電波の出力形状とかは確認できない。
まさに簡易的な機能。もうちょっと他に方法はないのか。

■HackRF Oneを使う
https://github.com/mossmann/hackrf
ソフトウエア制御による1MHzから6GHzにわたる広帯域送受信機SDR(Software Defined Radio)。
つまるところソフトウェアで無線受信機を作ることができる、なかなかハッカーなシロモノ。
USBのワンセグ受信機を改造して使うパターンが昔流行った。
RTL-SDRってのが3000円ぐらいでメジャーだが、そのあたりは周波数が1700MHzまで。
HackRF One は 6GHz まで対応しており、ドローン野郎のニーズを満たす。
似たようなのはいくつかあるが、オープンソースなハードウェアなので、中華でアチコチから出されて安い。
FMラジオ聞いたり、GPS信号眺めたり、イモビの解析したりと、いろいろ多彩に使える。
がんばって5.8GHzVTXの映像をデコードしようとしている人とかいるよ。
https://www.rtl-sdr.com/decoding-5ghz-ntsc-video-from-drones-with-a-hackrf-dragonos-and-sigdigger/

こんな感じの簡単キットでやってくる。
組み立てたらこんなの。5分もあればできる。
FMラジオを鳴らしてみた。AIRSPY SDR。

なんかサラッと出力もできるみたいだけど、その時は電波暗室でね。
そんな中に周波数スイープに特化したのが「hackrf-spectrum-analyzer」。
https://github.com/pavsa/hackrf-spectrum-analyzer
とりあえず電波見たい層はコレが一番安価でいい感じのソリューションでないか。

我が家の2.4GHz帯をチェック。

おなじみBanggoodとかで1万ちょいぐらいから売られてる。
https://www.banggood.com/HackRF-One-1MHz-6GHz-Radio-Platform-Development-Board-Software-Defined-RTL-SDR-Demoboard-Kit-Dongle-Receiver-Ham-Radio-p-1552853.html
今見たらちょっと値上がりしているような。
いろいろめんどうなんで、金属ケースとオシレータがついてるのを買ったほうがいいと思う。
アンテナもいろんなのがオマケについてくるが、実際はドローンで使っているアンテナを使いまわしてもよい。
いちいちPCいるんかい!→ Androidとかのアプリもあるよ。
ハンディタイプにまとめた「PortaPack」というのもあります。
液晶の大小で2世代ぐらいあるみたいですね。いつかチャンスあったら試してみたい。
もっと製品でちゃんとしたハンディ機はないのか。

■RF Explorer を使う
http://j3.rf-explorer.com/
RF Explorer というのは、ハンディなスペクトルアナライザー。
この手のものは例に漏れず高価で、まさにガチ向けな測定器なのですが、RF Explorer は個人にかろうじて手が届くお値段設定。
安価な普及モデルを作りたいという設計者の熱い思いから生まれたそうです。他に類する製品がないので貴重な製品といえます。
最初のモデルは10年ぐらい前に出て、その後ちょっとずつアップデートをし、各ニーズに特化した派生モデルがたくさん出ました。
その最新モデルが、今回入手した「6G Combo Plus」で、シリーズの中では高性能モデルという位置づけです。
このモデルのいいところは、50kHz から 6GHz まで一気通貫で測定できる。その分お高めとなるけど。
ゲームボーイのようなボタンをポチポチして、確認したい電波帯を指定すると、液晶に10fpsぐらいの更新速度でグラフが出る。
なんつうかちょっとレトロで無骨な感じが・・キライじゃない。つうかスキ。
一番出力の強いところにフローティングで数字が出るので、草むらに埋まったドローンを探しにいったりできる。
Seeedという電子工作野郎にはメジャーなところで販売されている。
https://www.seeedstudio.com/RF-Explorer-6G-Combo-PLUS-Slim-p-4616.html
399ドルとそこそこする。これに Fedex ついて5万弱ぐらい。日本でも売ってるところがあるようだ。

出たばっかのアレ、むちゃくちゃ帯域使ってるやん!
2機同時だとこんなの。

USB で PC に接続することで、各種データ収集やリアルタイムな処理のあれこれが可能。
Windows、Mac、Linux となんでもござれで、ラズパイ用向けもある。
各コンテンツのダウンロードはコチラ。
http://j3.rf-explorer.com/downloads
ファームウェアも頻繁に更新されていて、そこそこの値段はするが、まあ退屈はしない。
周波数ドリフトがある某社AIO VTXで、周波数変更しても同じ傾向か調べた動画。

さらに最新型のPlusに限り、課金アイテムがふたつほどある。
そのうちのひとつが内蔵のFlashメモリに記録してくれるというもので、PCにイチイチつながなくても電波状況を記録してくれる。
あんまりたくさんは記録できないというのが弱点ではあるが、高速再生とかいろいろ今後もファームアップを目指している模様。
ちと高いが投資してみた。

なんと課金アイテム。
ネットワーク経由でアクティベーションが必要。
使えるようになった!

ということで、高いが全体としてちゃんとした感じ。
アチコチの電波を眺めては、なるほどこういうことになっていたんだな・・と発見の日々。
そもそも周囲は電波で溢れているわけですよ。
電波を確認できる手段としてスペアナの活用は、現代人に必要な時代かもしれないですね。

RF ExplorerとHackRF Oneの比較はこんなかんじ。

2021年春の「BBKN剥きプロシリーズ」

分解したGoProをドローンに搭載する「剥きプロ」。
2019年後半あたりから出て、2020年は当たり前の存在に。

剥きプロはなんだかんだで扱いめんどくさい。
「剥きプロ疲れた」という話はよく聞く。
とにかく壊れる。あと取扱いが繊細すぎ。
95、3インチあたりが使える屋外とか広い場所だと選択肢も多いし、無理に剥きプロ使わないでも、いろんな選択肢ある。
屋内で近接撮影となるとやっぱり65、75あたり。
いろんな機材も出たけど、トータルの取り回し考えると剥きプロが一番いいかな、ということで今もコレがメイン。
そんな感じで消耗しつつ、アチコチで剥きプロ飛ばしては、いろんなフィードバックをもらっては改良を繰り返している。
そうしてノウハウも蓄積され、今や枯れた存在となりつつある。
このあたりで最新の「BBKNシリーズ」で配慮してたりするところをまとめてみた。

■GoPro部分
使うのはGoPro6かGoPro8。7は使わない。
やっぱり8の方がキレイなので、8を優先して使うが、8はいろいろある。
個体によってバラつきあるし、BECもそんな感じあるし、選別品にしても使ってるうちに挙動変わったり。
そういうのが現場で発生するとホントうんざりする。
予備には安定の6を使う。マウントは共通なので取替は現場でもできる。
散々使ったので、6ならほぼ間違いなく期待の絵が撮れる。
それでも、やっぱり8を使いたい。今はそういうかんじ。

GoPro6。XT30で電源供給する。HDMI使って配信カメラになったこともある。
GoPro6は液晶ユニットが挿さる!あんまり使わないけど。

剥き出しだと接触時に基盤がウエハースのように割れる。
ぶつけなければいいだけの話だが、ドローンならではのスリリングな絵を撮りたいとなると、そうもいかんこともあったりする。
ということで、基本的にユニットはケース入りで、カメラ角度は固定。
いろんな材料試したが、基本PET-Gでカッチリ。
特に衝撃によるカメラフレキの抜けについて改良は繰り返した。
レンズ裏の光の回り込みを避けるためカバー。
レンズはMavic用のNDフィルタが使えるように調整。
ボタン部分だけTPUを使っている。
SoCのところにはラズパイ用のヒートシンクを貼付。(あったほうがいいと思う)
GoPro6に関しては液晶をユニットで差し込めるようになってる。(あんまり使わない)
GoPro8は延長フレキを別途準備しないと縦置きにできない。
8は個別調整的なところがあり、なんつうかめんどい。

いい感じに薄いのを探す必要がある。
GoPro8用縦向きケース。組込にコツがいる。めんどい。

■6GoPro
65mmのヤツで、まさに空飛ぶGoPro。
崩れたバランス感で、見た目のインパクトもあり、見せびらかすのによい。
その見た目に反して、けっこーちゃんと飛ぶ。
サンプルは、まっどパイセンの素晴らしい飛行。

なにやら見覚えのある人達が・・。

フレームはNBDのブラシレス用。
固くて割れやすい。着色ナシのものがちょっと強い模様。

いろいろな工夫。

GoProの重量があるので、接触時にはFCのところが変形し、FCが外れて修正めんどう。
なので変形防止のブレースを追加している。
腹下に輪ゴムを引っ掛けるフックついているので、そこを使ってバッテリをつける。
バッテリは2Sで、450mAhと650mAhを使い分ける。650mAhで 3分半ぐらい飛ぶ。

カメラは Caddex ANT がキレイなので採用しているが、このカメラやたらと衝撃に弱い。
接触時にペラがカメラをひっぱたいてイカれたってのが何回かあった。
それでも今の所 ANT 使いたいので交換しながら対応している。
GoProのマウントでカメラ角度固定にしていたが、角度変えたい時はマウントの後ろ側をインシュロックとかで引っ張って都度調整する。

FCはディスコンになったBetaFPVの2S用。なのでレシーバはSPI。
VTXはTBS Nano32を腹下に設置。
FC上に置きたくなるが VTX の熱がGoProのヒートシンクを炙っちゃう。

モーターは 1102−10000kV。
ペラは40mm用のものを31mmにカットして利用。
モーターによって軸が1.5mmだったり1mmだったりするので注意。

GoPro搭載前の状態。平らなので搭載実験する時にも便利です。

■7GoPro
基本構成的には6GoProとあまり変わらない。1102-1000kV。
NBDの75フレームを反転で使う。これFCの向きが変えられるのがいい。
ペラの加工もないが、アウターケースの空転が複数回発生したので、ネジで固定は行う。
1102-9000kVで3Sという選択も残ってるが、2Sで十分飛ぶ。
FPVカメラも ANT だが、ペラで叩かれてもいいようなガードを追加した。
6GoProと比べると、スロットに余裕があり、屋内運用ならコレがベストかな。
屋外もいける。

ロクな写真が手元になかった。GoPro6搭載の初期のもの。バッテリは今は腹下マウントになってる。
GoPro8縦方向を搭載テスト。
ANTマウントはちょいガード機能をつけてみた。

■8GoPro
恐怖感を減らすためにカゴに入れてある。
基本UZ85そのままにマウントだけつけた。
このあたりのベースはもうなんでもいいと思う。
3Sの650mAhとかで5分近く飛ぶ。
重心が下にあるので、転がると起き上がりこぼしのように立つ。
ホバリングがかなり安定し操作がラクチン。屋内はもちろん屋外も全然いける。
特にカゴで空力的な効果があり、風が吹いても球として抵抗を受けるので、機体がフラフラしない。
対象物に寄りすぎても吸い込み効果がない。
大きさに余裕あるので照明追加とかもラクチン。
唯一ともいえる弱点はFPVカメラにカゴのフレームが入って邪魔なこと。
カットするとかもできるけど、慣れちまえ!でそのまま。
道具として十分使えるレベルだが、マニア的なロマン欠ける。
やはり小さくなくては。

下のブイがFPVカメラに映っちゃう。気にすんな!
GoProでないけどので一回消したけど復活希望ありだったんで。照明つけたサンプル。
ロクな画像がないのであとで差し替え。左上2つが85です。
85の上に65Hybridを親子亀で搭載して飛ばした心底くだらない実験動画。

■今後の課題とか
いったん出来上がると同じの作るのはあんまり楽しくない。
どこかで完成で終わりにしたいが改善は続く。
硬めのフレームに固めのマウントという設計方針なので、振動対策とかに配慮すべきかなーと思い始めてる。
それは部品の改良というより、BlackBoxログ眺めてマジメに設定詰めるとか、モーターのアウターケースのバランス取りとか、そーゆー方向かなあと思っている。
希望者には3Dプリンタのデータとか配布しています。
ただ、やたらとアップデートあるし、組付けにコツとかあって、いろいろと優しくないです。

1102仕様の65Hybridは手軽で完成度高いので、まずはコレがオススメです。GyroFlowもできるよ!(がんばれば)

USB電源でドローンの電源を集約する

Twitterは短くてラクよね。伝わらなくて後日検索めんどい。
自分のための覚書だしな。
なのでいつものように経緯とかネチネチ書いておく。

■12ボル党
いくつも電源持って歩くのめんどくさい。
ドローン関係は12v、つまり3SでDC電源をまとめるとラクになる。
というのを、駆け出しの頃に Yan-Tech さんに教えてもらった。
その頃は電源周り自作とか、めんどくさくて考えもしなかったが2年経って気づいたらおなじになってた。
これは外5.5mm、中2.1mmの「5521丸端子」(以下、丸端子)のアダプタ端子で運用される。
監視カメラ用とかでamazonでも安価に多数ある。
この「12ボル党」を中心にバッテリ周りについて再考してみようと思う。

■そもそもどんな電源が必要なのか
ドローンでの電源周りはいろいろある。
各種バッテリ充電、ゴーグルの電源、機体整備に使う電源。
スマホにバッテリウォーマー、デジタル使うとスマコンとかまで必要。
種類も多いしコンセントばっかり使う。さらに出先となると大変だ。

・LiPo充電機
85、95あたりの出先でよく使う機体の、3Sとか4Sを2C充電したいとなると60wは欲しい。
私はISDTに絶大な信頼を置くISDT野郎なのだけど、お出かけ用には Q6Pro に12v-5Aアダプタで常時持ち歩く。
最初は12-3Aアダプタを使っていたが、ちょっと足りない。
たくさんの充電必要な時は AC200v の D2 を持っていく。
5インチクラスのバッテリ充電にはこの200wクラスでないと難しい。

・ゴーグル電源
まずはFATSHARK。2S-4Sでの運用が可能。思いの外電池を食う。端子は丸端子。
なにかとトラブルの多いFATSHARK電池ケースは2Sで、昇圧回路ついてないので40%残したあたりで動かなくなる。
使い勝手悪いので、8.4vの昇圧回路組んだりもする(この場合はバッテリが最後まで使い切れる)が、利用後は外しておかないと、いつの間にか電池食われたりする。
電池ケースを3S(12v)にすると、バッテリ低下時にもジリジリと持ちこたえて、電源的にはバランスがよい。
ただしケース自作する必要があり、加えてデカく重くなるので取り付けの工夫が必要で、さらに充電器はだいたい2本セットで充電できるパターンで3本は中途半端なのは気になる。
5インチ用のデカいLipoにケーブルでもよいが、出先で電池足りなくなると充電間に合わない事態もある。
電池ケースのさらなる改造も検討してるが、相変わらずすっきりしないのがFATSHARKの電源。
いよいよのときのために12v-5Aアダプタで電源確保はしたい。
USB昇圧ケーブル使ってたこともあるけど、あれコネクタがハンダで支えられるものなので、ハードに使うとすぐぶっ壊れる。

現在は3つ持って歩いてる。ケーブル断はなくなったが、ハンダ部分に力加わってハンダクラックとかたまにある。

DJI FPV ゴーグルは 3S-6Sでの運用。こちらはさらに電池食う。
USB 5vの12v昇圧ケーブルでは電流が取り切れないパターンがあり、安定して使うには5インチクラスのバッテリか、いよいよになると12v-5Aアダプタ。

・機体整備につかう電源
普通は充電したバッテリを使うパターンが多いですが、ヘンテコな機体とか通電状態で長時間いろいろやりたい場合が発生する。
そうするとアダプタから XT30とかXT60とかにして、機体にファンをあてながらメンテとなる。
このパターンで 3S-6Sまでは整備できる。
油断してバッテリを最後まで逝っちゃったという経験はみんなあると思う。
そういう焦った状態ではよい整備ができないので、精神安定のためにも電源供給体制は欲しいものだ。
1Sはコネクタささらなくて間違えることはないが、油断すると2SのXT30などに3S挿したりすることもあるので注意。
ここはなんとかしたい。

・その他
Dockingとか、DVR用受信機使いたいとか、なんかそういうのもだいたいアダプタで動かせる。
そしてあと欲しいのは USB 電源。スマホやなにやら、そしてスマコン!あれがめんどい。
そんな感じで新しめの電源関係はみんなUSBだ。
あとPC持って歩く場合は場合によってはそのアダプタが必要。
Windowsの普通ノートだと19.5vで65wの丸端子がよく使われる。MacやChromeBookだと USB-PD。
ゲーミングは19.5vで180w~230wあたりで、容量デカくて使い回せるが、なんかヘンなサイズのコネクタが多い。
ゲーミングはアダプタないとGPU動かないし、GPU動かすためのゲーミングなので、諦めて別に持つしかないかも。780gと鈍器並の重量あるけど。

■ということで
12v にまとめることで、電源まわりが大体は使えるのわかったと思う。
さらに12vは車のシガーソケットに使われるので、デカモバブから AC変換なく電流を取り出せたり、各種車関係のグッズも使い回せる。(ヒューズとか)
それでも USB 電源は別に必要で、これを統合化できないかなーと常々考えていた。
それが今回の記事になる。(長い)

■USB端子から12vを取り出す方法
これがめんどくさくて、どうやって書いても混乱しそう。
USBは5v 500mAhを供給するだけだったのが、なんか20年ぐらい経ったらDC電源のメインになった経緯があり魑魅魍魎。
今回はまず12vを出すのを目的に絞り込む。持ってるスマホをなるたけ高速に充電したい!とかでないので注意。
このあたりの電源を規格的に出せるのが、Qualcommの QuickCharge(QC) と、Type-C でおなじみの USB-PD だ。

いろいろあるが、丸端子で特定電圧を出させるなら、USB-PDを「トリガーケーブル」で運用するのが簡単だ。
Type-Cなのでオモテウラないし、USB-A昇圧ケーブルにありがちなモナカ形状と比べて壊れにくいのもよい。
Type-C系は eMaker という識別チップがついており、アダプタとケーブルがマイコンでお話することで流す電圧/電流を決める。
高速通信できるケーブルが必ずしも大電流が流れるわけでないので「ケーブルもちゃんと選べ」ということになる。
eMaker はコピーチップやら、QCにも対応するカスタム品もあり、調べてみると必ずしも正しく動いていないものも「多数」あるようだ。
ということで、確実なのは eMaker チップ搭載されたのを選ぶ。それ以外はよく調べてリスクを把握するのが無難。
USB PD はバージョンによって3Aと5Aとかの時代があり、5Aにするには eMaker が必要。
ただし USB-PD が必ずしも5A出力に対応しているワケでない。
とりあえずそのあたりをネチネチとチェックして WITRN の eMaker付を購入した。
前買ったeMaker付きのリンクなくなってるな。まあ探すと出てくると思う。

■どのアダプタを使うか
USB-PDはよくみると、出せる電圧や電流がアダプタによって違う。
実際数値通りの性能が出るのかとかもあるし、過電流回路も様々なので細かい評価が必要だ。
とりあえず Anker Power PortIII Pod が間違いないらしいが、Ankerの系統は12v出ない。(5v,9v,15v,20v)
eMakerには最大許容電圧が記されているので、このアダプタに12vのトリガーケーブルを挿すと9vが供給される。

あれ?12vでないぞ?
12v対応しとらんやないけ!

12v取り出したい時には12vが出力できるアダプタを探すしかない。
いろいろ調べた結果、今回は HAYABUSA+ を選択した。
https://www.amazon.co.jp//dp/B08H4VHQSQ/papalagiorg-22
4700円ぐらいだったような気がするが高くなってるな。
本体にちっちゃい字で出力パターンが記載されている。

たいへん小さい。
老眼にはつらい。

組み合わせによって出力が変わるので、理解して使うのがめんどくさい。
さらに途中で他の端子をつないだりすると、その度にリセットがかかる。(出力パターンの切り替えが発生する)

大変たくさん対応してる。Oppo/Oneplus系だけ対応できてない。
USB-PDはPPSにも対応。ただし上限は11vに制限されている。

これは OEM で他メーカからも多数出ており、HI DISC のが安い。
とりあえず今の所これがオススメか。
http://www.akibaoo.co.jp/c/item/4984279642443/?sci_refl=1
あと調べた感じだと、この形状も同じっぽい。
https://www.amazon.co.jp/dp/B08NKBFX26/papalagiorg-22
厳密には形状の縦横比が違い、VOOC(Oppoのやつ)も対応してるかも。
中華通販でも買えるが、PSEとかあるし、これぐらいならアマゾンがラクじゃないですかね。
使いこなせるようになると、2つぐらい欲しくなるので、いくつか試すのもよいかも。
今回のはいずれも GaN の 65w で、そのうち 100w のヤツもいいの(まだちょっと高い)が出てくるだろうから、それを買い足してもよいかも。
なお 100w は 20v-5A で 100w。
12v はだいたい 3A までのようで、5A とれるのは見かけない。(あるの?)

■どうやってチェックしたりするか
順番若干逆になった気もするが、どうやってそのあたりのチェックをするか。
中国ではこの手のスペック偽装が多いので、USBチェッカーを使って調査をするのが当たり前(?)なのか、そういう製品が多数ある。
その中でもオススメなのは AVHzY CT-3 の負荷装置なし。フルスペック。
https://www.amazon.co.jp/dp/B08MDDH385/papalagiorg-22
これについてはあまりコピー商品ないのだけど近いのはコレ。
https://www.amazon.co.jp/dp/B08XM47NMS/papalagiorg-22
BTでアプリ使えるけど、メニューに日本語がない。細かいところがちょっとCT-3に負けるかも。
CT-3の日本語メニューも、いつもの怪しげなヤツだが、機能的なことも含めて CT-3 が良いのではないかと思う。
ファームとか説明書とかはコチラ。Shizukuという製品名になってる。
https://yk-lab.org:666/index.php/ja/

こんな感じでやるよ。これはQC3.0から12v引っ張った例。

CT-3はチェッカー機能に加えて「トリガー偽装」という機能がある。
これは QC とか USB-PD のトリガーチップを偽装することで、特定の電圧を出力させることができる。
これを使うとどんなケーブルでも電圧変更は可能だが、ちゃんと耐えることができそうなケーブルを見極めることが必要になる。18AWGぐらいか?
1Sとか2Sとかの電圧も出力できて緊急時には便利だ。
その場合は、QC対応か、USB-PD の場合は PPS 対応を選ぶようにしよう。
例えば Anker の場合は、PowerIQ という独自のやつで、QC と USB-PD に対応している。
なので、Type-C から QC でも USB-PD でも出せる。
ただしUSB-PD は PPS に対応していないので、細かい指定電圧の場合は QC3.0 を使うこと。
ハヤブサ系は Type-C からは USB-PD で出てきて PPS 対応なのだけど11vまで。
USB-A端子からは QCが出てくる。
(文章にするとややこしい)

■どれぐらい出力がとれるのか
よくある GaN の USB-PD 65w だと、12v-3A ぐらいまでとれるようだ。
25000mAhクラスの大型モバブも同様。
15v-3A の設定で 45w 取ることも可能だが、先の 60w にはちょっと足りず、FATSHARKとかに入れると壊れるので注意。
やっぱり 3S、4S、6S 充電するなら 60wは最低欲しいので、今回の 12v トリガーケーブルでは足りない。
20v-3A のトリガーケーブル使ったら 60w 使えるが、モバブではその出力はなく、あと M4Q は 18v までなど制限があるので注意。
Q6Pro なら使えるけど、間違えないように注意が必要。
20v丸端子のトリガーケーブルを準備すれば、ノートパソコンの電源も寄せられる→20v-5Aトリガーを追加した。

今回まとめた電源セット。20vトリガーはテープ巻いた。現在はこれに1sの丸端子ケーブルも追加してる。
65用のオマケケースに全部入る。

■今回の結論
LiPo充電にはちょっと細いが、がんばれば USB-PD で12v以下は集約できる。
LiPo充電は、20v-3Aの USB-PD を利用することで集約できるが、ケーブル間違えに注意。
ゲーミングのアダプタはあきらめ。