TBS Crossfire について調べてみた

このところ書いてないじゃん。
飛ばすほうよりヘンテコな開発関係ばかりやっている。
やりかけも含めると、トライコプター、防水ドローン、首振りFPV、カメラスイッチャー、iNav、PixHawk なんかがある。
記憶が失われがちな年齢になったので、どこかでまとめはしとかないといけないのだろう。

で、今回は Tango2 発売にまつわる「日本で合法的につかえないのか?」というお題。
つまり「Crossfireで技適は取れるのか?」ということでいろいろ調査したのでまとめてみる。
電波関係は門外漢で、ぶっちゃけワナビーの域で「イキリ中年カッコワルイ」なんだけど、なにか議論のキッカケになるといいなと思う。

■Crossfireとはなにか?
Team BlackSheep という会社が出している 900MHz帯を使うロングレンジ向けの双方向操作電波のこと。
https://www.team-blacksheep.com/shop/cat:rc_crsf
Europe: 868 MHz SRD Band
America: 915 MHz ISM Band
この電波帯はかつて第2世代の携帯電話(GSMとか)で使われたあたり。
一般に使われる2.4GHzと比べると、帯域は狭いがラジコンの操作には十分であり、回析特性がよいので電波が届きやすい。
2.4GHz はありとあらゆる電波が混在しているので、電波帯的にクリティカルな用途には向かず、海外では 5.8GHz への展開(日本は業務用途のみ)も進んでいる。
そんなことから、海外で「かぶらない電波帯」として Crossfire は使われているようだ。
なお、同様の製品として、同じ電波帯でプロトコルを独自にかえた Frsky の R9 シリーズなんかもある。
そんなステキな Crossfire だが、日本では900MHz帯はアマチュア業務に割り当てられておらず、そのままの利用は電波法違反となる。
さてなんとか使う方法はないだろうか。

900MHz帯の操作電波で技適が取れたものがこれまでなかったのかというと、DJI でいくつかあったようだ。
①Inspire1 のマスタープロポとスレーブプロポの通信。2オペでカメラジンバルの操作を行うもので、厳密にはマスタープロポがレピータとして動いていたのかも。
②Phantom2 Vision+:海外版は5.8GHzだったが、苦肉の策として日本のみ 920MHz 化。
③Phantom3 Standard:上位モデルの Advanced は 2.4GHz。
2015年あたりを最後に出てきていないようだ。
現在使われているレベルだと、自衛隊で使われるのがあったと記憶している。
これは山の向こうまで飛ばすのに、900MHz帯でも電波の回析が足りず、169MHz と切り替えながら運用できるシステム、みたいのを昔聞いたことがある。
いずれにしても現在では特殊な用途の模様。

■900MHz帯の歴史
かつては、先にも述べた第2世代携帯電話で「プラチナバンド」と呼ばれ、各キャリアが電波の取り合いを行っていた。
第3世代(WCDMAとかCDMA 1Xとか)に移行し、使い勝手の良い 900MHz 帯は空くことになる。
https://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/system/ml/mobile/portal/
その後、周波数再編が行われ、例えば900MHz帯のパーソナル無線は2015年を最後に利用中止となっている。
その後、2017年頃からこの電波帯にやってきたのがこの2つ。
・「920MHz帯テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備」の簡易無線局と特定小電力無線局(20mWまで)
https://www.arib.or.jp/kikaku/kikaku_tushin/desc/std-t108.html
・「920MHz帯移動体識別用無線設備」の構内無線局(250mWまで)と特定小電力無線局(20mWまで)
https://ja.wikipedia.org/wiki/移動体識別用特定小電力無線局
このルールに適合すれば 920MHz帯が使えるワケだ。

■920MHz帯を使うには
下の「920MHz帯移動体識別用無線設備」とは RFID のこと。
Crossfire で適用するとしたら「920MHz帯テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備」というやつになるのではないか。
これってなによっていうと、最近 LPWA とかで使われている電波帯。いろいろな規格がいますね。
https://ja.wikipedia.org/wiki/LPWA_(%E7%84%A1%E7%B7%9A)
ARIB STD-T108 という規定に適合する必要がある。
それが上の上のリンク先だが、規格書読むの有料で目次しか見ることができない。(さらに安くない)
その中の大きな特徴として、送信時間の制限があり、1回の送信に使用できる時間と1時間あたりの送信時間の総和が規定されてる。
人口過密と密集度を考慮したものらしいが、実際はかなり厳しい。
https://micro.rohm.com/jp/techweb_iot/tech-info/engineer/4604
もちろん、このあたりに対応した技適適合品も多数あり「ボクらの」Futaba でも製品が出ている。
http://www.futaba.co.jp/industry/industry_module/fep01/index
帯域や距離などでモードを切り替えるものになっている模様。

■Crossfireはどうか?という感想
詳細を理解しているワケではないが、最新ハイテク機器というワケではなさそうなので、ARIB STD-T108 に適合するのは難しいのではないか。
そんなこといっても海外では使えているじゃないか、というのがありますが、アマチュア無線枠として使えているのか。
アメリカだと Analog/digital の Broadband multimedia including ATV, DATV and SS ってことで使えるな。
http://www.arrl.org/band-plan
それとも厳しいの日本だけなのか。特定用途に特例措置を取れるのか。(例えば災害とか)
そもそも見当違いのところを調査しているのか。
ドローンが落ちてくる可能性が少しでも減らせるので、なんか使える方法はないものかと思う。

そして結論らしいものは出ず、この記事は終わるのでした。